7.「過ぎたるは・・・・・」



先週の週末、思いがけないお客様がいらっしゃいました。
熊本県の地元新聞社のHさん夫妻です。
Hさんは、新聞社の「主筆」を務めている方です。
「主筆」というのは余りなじみのない言葉かもしれませんが、その名の通り、「新聞社の主となる書き手」、つまりその新聞社を代表する記者、それが「主筆」ってことになるわけですね。(「つくし」ではありません。それは「土筆」(^^;;)
なんでそんな方が私の元へ?
皆様の疑問はごもっとも。
私はといえば、個人的な裁判で毎月休むどころか、裁判書類のファックスを上司に代わりに受け取らせるような問題児でございます。
しかしその理由はまことに簡単。
単にプライベートで家族ぐるみのお付き合いをさせていただいている、というだけのことです。

別に我が交友関係を広く自慢しよう、なんて了見の狭い考えではございません。
うれしかったんです。
縁も所縁もない四国は徳島にやってきて、はや一年半。
「そのうち遊びに行くよ」なんて言ってた友人は誰も来やしません。
いえいえ、責めているわけではありません。
大体私にしてからが、裁判をやっているからこそたまに熊本に行っているようなもの。 そうでなければ私だって「そのうち遊びに行くよ」と言っているだけに過ぎないのは目に見えてます。
だから・・・
突然Hさんから「二人で遊びに行くよ」と電話がかかってきたときは妻と飛び上がらんばかりに、いや、ほんとに飛び上がって喜んだのでした。
ちょうど土日は私も久々の連休(まあ、休みでなくても休んだでしょうが)。
おいしいお店や案内する場所を妻と相談したり、Hさんに連絡を取ったりしているうちに瞬く間に土曜日になりました。

空港でお出迎えしたあと、とりあえずお二人を徳島市内のホテルまで送ります。
私とは親子ほど歳が離れているわけで、悪天候の中プロペラ機で揺られてきっとお疲れに違いありません。ゆっくり休んでもらわねば・・・・・・。
と思ってはいるのですが、ホテルに送り届けたのが午後5時過ぎ。
食事は午後6時に予約しています。
早速5時50分にまたお迎え。
今度はタクシーに乗っていただいて店へ。
徳島県南部の名物「残酷焼き」を食していただいた後は河岸を変えて、日本酒と珍味が豊富な小料理屋へ直行。
結局再びホテルへお送りしたのは、午後10時を軽く回っておりました。

そして翌日。
この日の旅程だけを書きます(移動はすべて車)。




 9:00       ホテルロビー
   ↓(車40分)
10:00〜11:50 和三盆糖を今も伝統の製法で作っている製糖所で見学
   ↓(車40分)
12:30〜13:50 鳴門の渦潮見学(もちろん、船で)
   ↓(車10分)
13:50〜14:30 昼食
   ↓(車30分)
15:00〜15:40 阿波人形浄瑠璃見物
   ↓(車20分)
16:00〜17:00 一年中本格的な阿波踊りを見物できる「阿波踊り会館」
   ↓(車60分)
18:00       この日の最終目的地、池田町の旅館へ


・・・・・・・。

弁解になりますが、わかってはいたのです。
着いたばかりでお疲れだろう事。
旅はまだまだ続き、最終目的地は四国の西端、愛媛の宇和島である事。
ご夫婦でのんびりした旅を楽しみたいであろう事。 大体、私自身がこの日、体力に疲労を感じたくらいです。
こんな高校生の修学旅行のような過密スケジュールでお二人がお疲れにならない訳がありません。
(おまけに阿波踊りも踊って頂いてしまったのです!)
その後の旅程にも影響が出たであろう事は想像に難くありません。

しかし、しかし。
Hさんご夫妻が遊びにきてくれた、というその喜びに舞い上がり、私は自分を見失ってしまったのです。
Hさん、Hさんはインターネットなんて使ってもいないとおっしゃってましたが、ここであらためてお詫びさせていただきます。

いま私の頭からこの言葉が離れません。

「過ぎたるは及ばざるがごとし」

皆さんもどうぞお気をつけあれ。