4.CDライブラリが消える日



最近レコードが再び出回るようになりましたよね。
「待望の@@、ニューアルバム発売!限定LPも予約受け付け中」なんて、ずいぶん増えたように思います。
これって、音楽雑誌や新聞なんか読んでますと、「スクラッチから始まったレコードプレーヤーの復活が、若い世代の物珍しさとともにレコードの再評価につながった」とかいう解説記事が載っていたりします。
もちろん、CDの発行枚数は比較にならない程度なんですが、全滅状態だった10年前と比べるLPが着実に増えているのは確かですし、未だにLPを数百枚大事に抱えている私たち夫婦にしてみれば朗報には違いありません。
ただ、これが「CD補完計画」だとしたら、どうなんでしょう。

先日、仕事でマイクロマシンの分野では世界でもトップクラスの研究者と話をする機会がありました。
マイクロマシンというのは、その名の通り極小の機械です。ナノメーターという百万分の一ミリの技術を駆使して様々な装置を開発するもので、その研究者は一枚のディスクにMD数百枚分のデータを収録できる3次元光ディスクに取り組んでいます。
それはそれで非常に面白い話だったのですが、今回の話とは関係ありません。
紹介したいのは、余談としてその研究者の口から飛び出したこんな話です。
「DAIさん、CDのデータがもうすぐ消えるという話は知ってますか?」

その方の話を要約するとこういうことになります。
CDというのは極めて薄いアルミニウムの膜の上にプラスティックをコーティングして、そのプラスティックに小さい穴を開けてデータを記憶しています。そこに上から光を当てて、穴が開いていなければ光が返ってくる、穴が開いていれば光が散乱して返ってこない。この二つのシグナルを(0,1)としてデジタル化しています。
レコードと違って直接針をあてたりしませんから、データは劣化することもなく、半永久的に記憶させることが出来る夢のメディアだということで華々しく登場し、その後あっという間にレコードを駆逐してしまったのはご存じの通りです。
ところが、です。
肝心要の鏡の役割をするアルミニウムが、一定の時間が経つとプラスティックに蒸着する技術上の問題で劣化してしまうというのです。アルミニウムが劣化すると、つまり蒸着しているプラスティックから浮いてしまって凸凹すると、当然光は正しく返ってきません。CDのデータは消えてしまうというわけです。
その「一定の時間」とは約20年だそうで、既に20年近く前に作られたCDの中に、トラブルが発生しているものも出ています。
CDが一般に普及し始めたのは今から十数年前ですから、後10年、つまり2010年頃にはかなりのCDが消えてしまうものと考えられている・・・・・

おいおい、2000年問題の次は2010年問題かよって、まあ次元の違う問題ではありますが、知りませんでしたねこんな話。
一生懸命LPライブラリをCDに買い換えた金と手間は何だったんでしょ(TT)。
だって今でも当時のLPは生きているんですから。
まあしかし、今の10代・20代にしてみれば、どうっていうこともないのかもしれません。全盛のJROCKなんて、ミリオンセラー出まくるかわりに数年も経たない内にファンでさえ見向きもしなくなる消耗品なんですから。
来るべき10年後のために、レコードプレーヤーの手入れだけは怠らないようにするとしますか。