12.裁判の起こし方(その1) 弁護士orDIYS?



 裁判を起こそうとする場合、最も簡単なのは弁護士に頼むことです。
 熊本には知り合いの弁護士も何人かいましたが、しかし私はその方法は取らないことにしました。
その理由を挙げます。

@最低でも着手金が十万以上かかること。
これに書類の作成費用など実費を加算すれば、まったく採算が合いません。
 ちなみによく混同されている方がいるようですが、弁護士費用は裁判で勝っても自己負担です。裁判費用と言うのは裁判所へ行く交通費や宿泊費、書類のコピー代、印紙代などを指すもので、弁護士費用は裁判費用には含まれません。
 というわけで、やはり裁判は金がかかりますが、何もかも自分でやれば裁判は安くつきます。

A裁判の基本は本人訴訟。
では自分で裁判がやれないのか、検討しましょう。
消費者センターで同様のトラブルが増えていると聞いた後、インターネットで敷金トラブルを検索してみました。いやー、出るわ出るわ。本当に多いんですね。中には大学の法学部の教授が敷金トラブルに巻き込まれて、自分の知識がどれだけ実際的か直接交渉にあたった記録も載っていました。この方の場合は、提訴直前で和解となったようですが、それでも疲れたと感想を述べられていました。
 ただ、やっぱり多くの方は私と同じように途方にくれているんですよね。
 そういう相談の答え方も「内容証明を出して見ましょう。大家の態度が変わる場合が多い」とか、「それでダメなら弁護士に相談してみましょう」でお終い。
 相談者が本当に聞きたいのはそこから先だと思うんです。「大家には毅然とした対応を」とアドバイスしておいて、それでダメなら貧乏人は泣き寝入りじゃひどい。
 で、私思ったのです。
 これは賃貸トラブル・マンションに住んでいる人間なら、誰にでも起こりうるトラブルです。それを解決できる方法がないというのはいくらなんでもおかしいんじゃないのか。この程度の裁判なら自分でできるんじゃないかと。
 もしも私がやってみて可能であるなら、これはより多くの方々に参考にしてもらえる。悪徳大家に毅然とした対応を取る賃借人がどんどん増えていけば、結果的にこうした犯罪的経済行為も減っていくでしょう。
 お互い知識やノウハウを交換するネットワークも生まれるかもしれないし。

B弁護士はあなたではない
仮に弁護士を頼んだとしても、その弁護士があなたの旧来の知り合いでもない限り、こんな敷金返還裁判なんかまじめにやってはくれません。別に弁護士を責めているわけではありません。仕方ないのです。弁護士はいつも複数の事件を抱えて大忙しです(暇な弁護士に依頼してはいけません(^^;)。あなたの事件は第三者から見れば単なる大家と賃借人の揉め事。絡んだ金も数十万。成功報酬は数万円です。苦労をいとわないだけの魅力がそこにあるでしょうか?
「本当に実のある裁判をやりたければ、自分でやった方がいい」と、これは現役の弁護士が小ベストセラーになった本(「裁判の秘密」)の中で言っています。

(続く)