7.恐怖の館



吉原で遊びすぎた若旦那ならともかく(たとえが古すぎるか(^^;)、こんな請求書を突然送りつけられたら、普通どうするでしょうか。
とりあえず、管理会社・無責任商事に電話しましたが、こちらは手紙にあったように「うちは知らない」の一点張りです。
それでは、大家に電話です。

「もしもし、M78ビルに入居していたDAIですが」
「なんですか」(挨拶も抜き、いきなりテンションが高い)
「請求書が届いたんですが、これは一体どう言うことなんでしょうか」
とここまで言いかけると、
「どういうことってなんですか、部屋を元に戻しなさいってことですよ。部屋が汚いから工事したんじゃないですか。何か文句でもあるんですか。あなたが部屋を汚したんでしょ。元に戻さないと困るのよ、当たり前でしょう、請求書を送ったんだからきちんと払ってください・・・」
いきなり「あなた」呼ばわりされたことに驚く間もない攻撃です。二の句も告げずにいるとこの台詞。
「だいたいあなた、犬飼ってたでしょ、それくらい払うの、当然よ」
・・・・・・・・・・おいこら。

とりあえず、私はやっと口を開いて「適正に処理させてもらいます」と言って電話を切りました。
さて、どうしたらいいものやら。
犬の話は論外としても、猫を飼っていたのは事実だし、別に敷金など戻ってこなくてもいいやとは思っていました。
が、改めて送られてきた「別紙見積もり」とやらを眺めていて、再び腹が立ってきたのです。
熊本市にある「日暮建設」が出した見積もりの内容はこうでした。

   壁クロス張り       142,000円
   既存クロス張り剥ぎ手間   14,200
   床CFシート張り       8,050
   天井塗装          38,400
   網戸張替え(一枚)      2,700
   床フロア合板       205,350
   同上張り手間        52,500
   洋室下段・流し下ベニヤ張替え 4,000
   残材処分費         13,000
   配水管清掃          6,000
   室内クリーニング      33,000
   諸経費           33,000
   計            432,350
カンペキなリフォームです。
一体何なんだ「天井塗装」って。うちの猫は天井歩かんぞ。
「流し下ベニヤ張替え」ってなんだ。
「諸経費」てなんだよ、こら。
壁のクロスだって、私タバコは吸いますが、キズなんてあるわけありません。
「網戸一枚」というのはわかります。
うちの猫ではありませんが、一度猫を預かっていたとき、網戸の端を破ってベランダに出たことがあり、これは直さないといかんなと思っていましたから仕方ありません。
しかし、なんでうちがお宅のリフォーム代金を負担せにゃならんのだ。
と、怒りながら考えていて、はっと気づきました。
私があの部屋にはじめて案内されたとき、管理会社から言われたことを。
「この部屋リフォームしたばかりなんですよ」
お、恐ろしい。恐ろしいぞ。
あのマンションは、「リフォーム済み」のウリで入居人をおびき寄せ、出てく時にはリフォーム代を毟り取る恐怖の館だったんだ!
毎月家賃取って、雨漏りも直さず、リフォームは入居人にさせていつも新品!なんてマンション経営が許されたら私だって金かき集めてマンション経営者になるぞ、オイシイじゃないか、なんて言ってる場合ではありません。
きっちり対処しなければ。
って、どうすればいいんだ?
(続く)